ブロック処理

ブロック図形について
CADの大事な要素として、属性をもった図形を配置することで、部品の入れ替え・部材の集計や、マクロによる図形処理などで使用することがあります。
今日では、図面の応用範囲が広がり従来のブロック図形の考え方のデータ構造ではそのニーズに対応することが難しくなってきました。
UIDesignerの開発者は、そのようなデータ構造ではこれからのCADにはふさわしくないことを過去の開発から理解しています。

UIDesignerのブロック図形の考え方
UIDのブロック図形(要素のかたまり)はユーザーがブロック化した時点でブロック番号が自動的に付けられます。
この番号は、システム的に付けられる番号であり、ユーザーが設定することはできません。また、複写や移動などを行った場合や図面登録時にはソートされるため異なるブロック番号になります。
ブロック図形は一般的にいう属性図形とは異なり、このブロック番号は、図形が一かたまりであることを示しているだけで、他には何も意味は持っていません。
システム内部で自動的にブロック化されるのは以下のものです。
  • 寸法線ブロック
  • 引き出し線ブロック
  • 座標表示引き出し線ブロック
  • ハッチングブロック
通常、このブロックに含まれる要素を削除したり、オフセットの対象線とすることはできません。
必要な場合は、「ブロック除外サーチ」または「ブロック除外サーチモード」を使用してサーチします。
ただし、移動、削除した場合はそのブロック図形は不完全な形となります。
グループ化については、ブロックをはずさずにサーチできます。
ただし、右クリックで単要素をサーチした場合は除きます。
寸法線については、寸法コマンドで行うことができる操作(移動、寸法値変更など)に限り、寸法ブロックを維持したまま行うことができます。
例えば、寸法値変更などをブロック除外サーチを使って文字コマンドで処理すると、ブロックは不完全な形となります。

シンボル図形のブロック化
UIDesignerのシンボルのデータ構造は、図面のデータ構造と同じです。
従って、シンボル図形の中に複数のブロック図形を格納することができます。
1個のブロックは1つしかブロック番号はつきません。したがってブロック図形を含んだ図形をブロック化したときは、ブロックのされていない図形のみがブロック化されます。
すなわち、ブロック図形はツリー化構造にはならないことになります。
ブロックをツリー化構造にするには、新たにデータベースやSGML構造にすることを考えています。
従って、シンボルにブロック図形が含まれている状態で、図面に展開した時はそれぞれのブロック図形はフラット(通常の図面と同じ)にブロックをもって展開されます。

要素値(属性)について

要素値とはその図形が持っている意味をテキストで入力、保存されたもので、ブロック化されていない要素にも意味付けをおこなうことができます。
つまり前述した「ブロック」とは別の取り扱いをしています。
例えば直線1本にも円1個にも要素値を付加することができ、その内容はテキストで何行にも渡って入力することができます。
この使用方法については、メニューに要素値を積載したときまた詳しくご説明いたします。
グループされた図形のかたまりに同じ要素値を付けることができ、同じ要素値を持っている図形を検索することができます。
例1)
要素値を「A−1」とし、次にこの図形を複写した場合「A−2」となるように処理でき、「A」で検索すればAのすべての図形を表示することもできます。

例2)
「A」の図形を引き伸ばして何個か配置したときに、その長さなどを要素値として図形に書き込めば、「A」について長さ別に集計することも可能になるでしょう。
高さを与えれば、また違う使い方もできると考えています。
要素の集まりをブロック化することも可能で、寸法ブロックはブロックを解除しても要素値は残っています。

例3)
ある図形に要素値を付加させることでイメージを表示させたり、別データを読み込ませたりする機能を付加することができます。

寸法ブロックについて
寸法ブロックの基本構成

各ブロックは下図のように構成されます。

グループ化等で寸法値だけを囲んだ場合、寸法ブロックすべてがグループ化されます。
ブロック要素を寸法値だけ、矢印だけなどというようにグループやサーチの対象にできません。その場合は「ブロック除外サーチ」を使用してください。
ただし、プロック内の個別要素を移動した場合は、ブロック構成が不完全となります。
ブロック全体を複写、移動した場合は、ブロック番号は異なりますが、ブロック構成は変更されません。
寸法値を「文字」コマンドでは通常サーチすることはできません。この場合は、「寸法」コマンド内で変更を行ってください。
※公差値があった場合、公差値もブロックに含まれます。
※「記号付加」コマンドで付加された文字はブロックに含まれます。
ただし、公差値のある寸法値に記号付加した場合、公差値と寸法値が重なってしまう場合があります。その場合は、公差値を付ける前に記号を付加して新たに寸法線を構築してください。
「公差値付加」コマンドは追加予定です。

こんなふうに変わります!

寸法値を移動させると・・・
ラバーバンドとともに寸法線が引き延ばされます。

いままで矢印の表示されなかった寸法線は・・・
微少寸法として外側に矢印がつくようになりました。

その寸法値を外に引き延ばすと・・・
こうなります。


続々機能アップ中。お楽しみに!!



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